※
八
憐れむべし、老桜痴。更に憐れむべし、老逍遥。過去世は既に逍遥を推して桜痴の上にあらしめたり。現世はその先後を知るべからず。未来世は桜痴を推して逍遥の上にあらしめん乎。
芥川龍之介「明治文藝に就いて」(岩波書店『芥川龍之介全集 第十二巻』(一九七八) 二九五ページ)
※
私は坪内逍遥についてはほとんど知りませんが、福地桜痴を推したい者の一人です。個人全集がないというのは損なものです。
(2018・6・21追記 桜痴全集は存在しました。訂正してお詫びします)