核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

夏目漱石「従軍行」(一九〇四(明治三七)年) 一/七

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              従軍行
 
   一
 
 吾に讐あり、艨艟吼ゆる、
 讐はゆるすな、男児の意気。
 吾に讐あり、貔貅群がる、
                 讐は逃すな、勇士の胆。
 色は濃き血か、扶桑の旗は、
                 讐を照さず、殺気こめて。
 
   ※
 
初出『帝国文学』第十巻第五(明治三十七年五月十日発行)
引用は岩波書店漱石全集 第十七巻』一九九六 五三〇~五三四ページ