核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

チキンホーク列伝3 柳田国男

 戦争に駆り出されたくなかったら、愛国者のふりをするに限る。そういう精神構造の話です。

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 そのうち日露戦争になり、いつ召集されるかも知れないというので、戦争に関係のある仕事をしている方がよかろうということになり、捕獲審検所に出ることになった(「捕獲審検所のころ」)。この三十七年に私は結婚したので、その前後はごく気楽に暮らしてゐたように思ふ
柳田国男『故郷七十年』 『定本柳田国男全集 別巻三』
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 「がよかろう」「出ることになった」と他人事のような書き方をしている点に、ブッシュJrと同等の心性がうかがえます。出ることになったもなにも、徴兵がいやさに戦争関係の仕事を選んだのは、他の誰でもない柳田国男自身なのです。
 柳田国男は太平洋戦時中には「特攻精神をはぐくむ者」なる論も書いています。「戦争に関係のある仕事」の「気楽」さが気に入ったのでしょう。
 そういう「気楽」な人間に、徴兵に駆り出される民衆の心が理解できるとは思いません。
 私は、柳田国男を軽蔑します。