核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

P・ジャッケイ『RPG キャラクターブック―ファンタジー世界のヒーロー編』

 安田均・松谷世津子訳。社会思想社 現代教養文庫 一九九三。
 一言で言うと、勇者の履歴書を作成できるツールです。
 指示に従ってサイコロをふり、出た目の欄をメモしていくと、架空世界の人物が成年に達するまでの経歴・技能・性格・家族構成といったものができあがるわけです。
 具体的にはこんな感じ。種族=人間以外はすべてサイコロ通りです。

   ※
 性別 男  種族 人間  文化的背景 文明人  社会的地位 窮乏  読み書き 不可
 家族 父(農奴 他国産まれ)のみ  兄弟姉妹 なし
 経歴 10歳 家族に愛されずに育つ
     11歳 農業を見習う(技能取得)
     14歳 祖先崇拝の僧侶に癒され、その教えの英雄とみなされる
     17歳 家族が本人の興味を認め、励ましてくれる
     18歳 集税吏(女性)に技能を認められるが、彼女ごと追放される
     18歳 集税吏死す
 性格 疑い深い 冷静 心気症(ヒポコンデリー 病気を気にする) きれい好き 感情的
 技能 短剣4 口論4 農業2
   ※

 ……過酷な前半生になりました。冷静でなおかつ感情的なのかとか、矛盾も少々ありますが。
 小説の題材にするもよし。既成TRPGのキャラクターシートの裏にメモしてロールプレイの雰囲気作りに役立てるもよし。ただ妄想の材料にするもよし。
 この本だけでも十分すぎるほど楽しめるのですが、データをさらに爆発的に増やして、飛躍や矛盾点を物語的に処理するようにすれば、それこそ小説作成ツールができそうです。ファンタジー世界に限らずSF風、時代劇風、西洋古典名作風、私小説風などなど。