核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

M・アラビー著『ゲームブック 君ならどうする 食糧問題』(社会思想社 1988)

 33年越しに入手しました。ずっと欲しかったんだ。私は80年代を生きる男。

 社会思想社ゲームブックというのは、ブーム火付け役の『火吹山の魔法使い』をはじめとして、剣と魔法で敵を倒して宝を手に入れるといった物語が主流なのですが、本書は違います。『国民は飢えている。農民に増産を呼びかけるか?それとも外国から輸入するか?」という具合に、20世紀のある国(設定は最初にコイントスで決めます)で次々に起きる問題を、選択肢を選んでいくことで解決していく本です。

 コンセプトはすごく魅力的だし、個々の段落の文章も考えさせられるのですが……1回目の挑戦で、わりと簡単にエンディングに到達してしまいました。

 違う国の設定でやってみても、やはり難無く違うエンディングに。

 試しに「食糧を特定の外国に頼る」「貧富の格差を無視する」「暴動は外国軍の力で鎮圧する」といった、ダメ発展途上国の道を歩んでみても、やはり最後にはいい感じのエンディングに。普通のゲームブックと違い、ゲームオーバーが存在しないのです。

 こうなるとゲーム性に疑義を呈したくなるところですが、今日の私は機嫌がいいので、また日を改めて書きます。