核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ジェームズ・ウィルソン、岡和田晃著『傭兵剣士』(グループSNE 二〇一九)

 正式なタイトルは、『傭兵剣士+青蛙亭ふたたび+無敵の万太郎とシックス・パックの珍道中』ですが、『傭兵剣士』で検索しても出てきます。

 社会思想社(第五版対応)や新紀元社(第七版対応)からも『傭兵剣士』という題の本は出ていますが(表題作以外の内容はそれぞれ別)、今なら完全版に対応したグループSNE版がおすすめです。長く愛されたタイトルです。

 最近、当ブログはTRPGとかT&Tのことばっかり書いてるわけですが、ちょっと興味がわいてきたという方におすすめの一冊。ソロ(一人用)シナリオ5本に多人数用シナリオ3本、簡易ルール、中山将平氏のまんが一本がついた、これ一冊でたっぷり遊べるお得な本です。

 まず簡易ルールから。別売りの完全版T&Tルールブックから一部分を抜き出したものですが、戦士タイプならこれだけで(あ、6面体サイコロは必要ですね。最低でも3個。あとは鉛筆消しゴム白い紙数枚と電卓)十分遊べ、盗賊や魔術師タイプでも4レベルまでは対応と、十分な内容です。

 まんがは旧版からおなじみのサンプルキャラ、「無敵の万太郎」が活躍(?)する冒険もので、ゲームに入る前に、これで雰囲気をつかむのもありです。

 簡易ルール付属のキャラクターシートをコピーして(チラシの裏に書き写すのもありです)、鉛筆で薄く(重要。何度も消しゴムをかけることになるので)キャラの能力値を書き込んだら、いよいよ表題作「傭兵剣士」。

 プレイヤー1人、戦士キャラ1人用のゲームブックタイプの迷宮探索シナリオです。

 即死直結の不条理な罠も多々ありますが、それも含めてT&Tの基本。死んでは作り直して再挑戦をくり返すうちに、キャラ作成や攻略の要領がつかめてきます。SRでふり直しのできる人間は意外と有利とか、タレント(才能)は登山家がいいとか。

 実は終了後のある頁に地図が掲載されているのですが、あえて見ずに自力で地図を完成させ、見事迷宮を突破した後にてらし合わせるのも一興。

 『傭兵剣士』の使命を完遂した戦士は、たぶん2レベルに達しているはずです。同書の他のシナリオに挑むもよし、当ブログの『三国演武2』(前日記事)で無双するもよし。トロールワールドには異世界への門など無数にあるとのことなので、時代考証は気にすることはありません。無双に飽きたらまたもどってきて、『カザンの闘技場』あたりを買うもよし。ルールブック付属の世界地図では、青蛙亭とカザン市はけっこう近いようです。

 同書の他のシナリオについても、別の機会にたっぷり語らせていただきます。