ありがたいことです。
ただ、私が書く「GM用ツール」や「シナリオ」と称するものは、サイコロで敵や先の展開が決まるものがやたら多いのですが、別にTRPGというのはそうしなければならないものではありません。きっちり自分で考えたシナリオを細部まで文章化して、予定通りに(なおかつプレイヤーさんの意向に沿って)プレイを進めるGMさんの方が圧倒的に多数でしょうし、私も前準備の時間に余裕がある時はそうしています。
ただ、敵や展開をランダムに決めるシナリオというのも、独自の魅力があります。
私が愛好するT&TというTRPG、そのデザイナーであるケン・セント・アンドレ氏の代表作、『カザンの闘技場』がまさにそれで、支配者がおもしろ半分に造った闘技場で、ランダムに選ばれる闘士や猛獣やモンスターと戦い続ける、『魁!男塾』のような世界観のシナリオです。ランダムなので何回でも遊べ、そのたびごとに違う、筋書きのないドラマが発生するわけです。
私はT&Tのシナリオ集は全巻ほぼそろえているのですが、この『カザンの闘技場』に加え、ランダムで飛ばされた異世界を旅する『デストラップ』が収録された第三巻だけは露骨にボロくなっています。
AIが進歩し、絵も文章も自動生成できる現代となってはもはや時代遅れの遊びかもしれませんが、私はもう少し、このアナログな遊びにつき合いたいと思っています。