核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ケン・セント・アンドレ『カザンの闘技場+デストラップ』(グループSNE 二〇一七)

 かつて社会思想社から出て、日本で好評だったという、T&Tの一人用シナリオ『カザンの闘技場』と『デストラップ』の完全版対応二本立て。さらにT&Tルールブック旧版に収録されていた多人数用シナリオ「トロールストーンの洞窟」や、簡易ルールも収録されています。

 『デストラップ』は地下道や地下室ではなく、「閉じた時間の輪の中のポケット宇宙」を旅するシナリオ。要するにランダム分岐でいろんな部屋に飛ばされるダンジョンです。初プレイは『カザンの闘技場』よりこっちがおすすめ。能力値がすべて20になる部屋をはじめ、武器を買えたりパワーアップするイベントが豊富です。それらを失うイベントも多いのですが。

 そして『カザンの闘技場』。作りたてのキャラでは1回戦すら厳しいです。

 同梱の『デストラップ』か、他の本で2~3レベルに成長したキャラで、やっと3回戦勝ち抜け可能といったところでしょうか。ここで10連戦に挑戦するか、いったん闘技場を後にするかを選択できます。後者が無難ですが、強力な魔法の武器を得ている場合は、そのまま突っ切るのもありでしょう。

 ところで、一九八八年に社会思想社から刊行された『カザンの闘技場』が日本でとくに好評だったという件ですが。『少年ジャンプ』の格闘まんが黄金期、ことに『魁!男塾』の連載時期と重なったのが大きいと思います。支配者が道楽半分に建てた変な闘技場で、優勝者のみ謁見可能とか。「死の渦巻剣!この世に斬れぬものなし」とかやってたのは私だけではないはずです。