ゲームというのは難しすぎても、簡単すぎてもつまらないものです。
適度の抵抗や障害を乗り越えた上で、達成感を満足させてくれるのが理想です。
間違った判断をしてもリスクがなく、無謀と思われる判断をしてもコストが支払われないのでは、ゴールにたどりついた達成感もありません。『食糧問題』はそういう意味でゲーム性に乏しく、不満が残りました。
その逆に、いくら最善と思われる選択をしてもことごとくダメ出しされる、いわゆる鬱ゲーもあるわけですが、そちらのほうがまだ、ある種の情動を満足(感動というのとは少し違います)させてくれるようです。
『食糧問題』と同時期に同じ社会思想社から出た『冒険者の帰還』は、『食糧問題』とは真逆の意味でゲーム性に乏しい鬱ゲームブックなのですが、私の人格形成にかなりの影響を与えた本でもあります。現物は紛失してしまい、買い直す予定もありませんが、いずれうろおぼえで語ることにします。