核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

話し合いで戦争を止めるためには

 話し合いといっても、「誰に」「何を」「どのように」話し合うかが大事なのですが、戦後日本の平和主義者たちはそのことを深く考察してきませんでした。そのあげく、改憲論者や核武装論者に有効な反論を出せずにいる有様です。

 話し合いで戦争を止めた最古の実例として、紀元前546年の、古代中国の弭兵(びへい。平和会議)があります。提唱者である向戌(しょうじゅつ)は、各国の諸侯(形式上の君主)ではなく大夫(たいふ。事実上の権力者)を相手に、「君のため」ではなく(ここ重要)、「民のため」を理由とした反戦を説き、「詩経」を引用しての礼儀正しい言葉遣いで会議を運営しました。

 「大夫の、詩経による、民のための平和会議」といったところでしょうか。

 残念なことに、この平和会議は歴史の教科書にも載ってなく、『春秋左氏伝』にわずかな記述があるのみです。さらなる分析が必要です。これからの戦争を止めるために。