核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

福地桜痴『仙居の夢』(1890)を画文学してみる

 スキャン画像どころか、コピーした紙面すら見つからないので、今回はうろおぼえで語ります。

 第一回衆議院議員選挙を題材にした政治小説ですが、東京日日新聞初出連載版の挿絵がとにかく素晴らしかった記憶があります。

 選挙ポスター(当時あったかは知りませんが)さながら、立候補者たちが一日一人の割合で次々に顔アップで登場します。リアルタイムで読んだ読者は、誰が勝者となるか、あてっこしたくなったのではないでしょうか。

 

 (以下中ネタバレ)

 

 「仙居」で当選するのは闇雲伯(山県有朋がモデル)の甥という設定の甘居仁太という候補者なのですが、彼だけは当選前の不安げな表情と、当選後の満面の笑顔とで二回挿絵になっています。ポンチ絵や風刺画の域を超えて、アニメの技法に達しています。

 挿絵画家名は書いてないのですが、ものすごく特徴のある滑稽な絵柄なので、本気で調べれば出てくるかも知れません。・・・・・・私はとりあえず、部屋のどこかには保存してあるはずの『東京日日新聞』のコピーを探してみます。