核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

マルクスは地球に言及したか? その2

 マルクスは地球に言及したか? - 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ (hatenablog.com)

 

 マルクスが地球について考えていたという斎藤幸平&ハート説を追認すべく、『資本論』第一巻第七篇第二十四章(七)の、高畠素之による日本語訳〈一九二一)を、デジタルコレクションで読んでみました。

 

 「資本制時代の造詣たる、協業、並に土地及び労働」

  (四一二頁 太字は引用者による)

 

 とあります。高畠が「地球及び労働」と訳すべき箇所を、「土地及び労働」と誤訳したんじゃないかと、斎藤幸平氏やハート氏は言うかも知れませんが。

 前後の読みづらい文章をなんとか解読しても、「地球」という語や、それが出てきそうな文脈は見当たりません。だいたい地球は、どう考えても「資本制時代の造詣」ではないでしょう。資本制時代が、土地を利用可能な資源にしたというのなら、筋は通りますが。一応、できれば原文と対訳した、『資本論』の別の日本語訳を探してはみます。