『未来への大分岐』の八五頁で、マイケル・ハートが、「ここでマルクスが地球に言及しているのが、私は好きです」と発言しています。「ここ」とは『資本論』の一節。
で、三四五頁の注では、この「Erdeというドイツ語の単語には、「土地 land」という意味だけでなく、「地球 earth」という意味もある」とあるのですが、疑問です。
拡大解釈ではないのかと。マルクスが「土地」のつもりで使ったErdeという言葉を、無理に「地球」と訳すことで、一九世紀の本を二一世紀的に書き直しているのではないかと、私は疑います。