核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

古典落語「松山鏡」

 親孝行だけど無知な男が、殿さまから大きな鏡をもらいます。

 「あれ、死んだはずのおとっつぁま!」

 鏡を知らない男はそう思い込み、鏡の入った箱を大事にします。

 その箱入り鏡を覗いた男の妻。

 「あれ、こんなみっともねえ面の女と浮気して!」

 夫婦げんかになります。それを止めに来た尼さん。

 「けんかはやめな。中の女も面目ないと思ったか、坊主になって詫びている」

  麻生芳伸編『落語百選・春』(社会思想社 一九七九)から 勝手に要約

 

 ・・・・・・『ドラえもん』や『ブラウン神父』シリーズにも、これに似た趣向の話がありました。

 なんでこの話を思い出したかというと、精神分析学の諸派というのは、もしかしたら無意識という巨大な鏡に、分析家たちがそれぞれの鏡像を移しただけなんじゃないかとか、大それた仮説を考えついたので。

 そんなわけないですね。羅漢になってお詫びします。