漱石の言うことだから正しいとも限らない、という一例。
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一九〇六(明治三九)年一月六日 加計正文宛
源一郎福地といふ男が死んだ。今の学士や何かは学問文章共に出来るが女を口説く事と借金の手紙をかく事を知らないといふ演説をやつた男ださうだ。死んでも惜しくない人ですね。
岩波書店『漱石全集 第二十二巻』一九九六 四四六ページより
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「ださうだ」という伝聞で、「死んでも惜しくない」とまで言うこともないと思います。
今書いている論文で、少しは名誉回復ができればいいのですが。