内村鑑三というキリスト教徒の中で、再臨思想と、日露戦争への非戦論がどのように結びついていたか。それを知りたくて借りてみました。
「悲しみの使徒」という副題からしてそうなのですが、どうも内村に寄り添いすぎ、その思想の全体像をつかめたとはいいづらい気がします。
どうせ再臨が近いと信じているのなら、肉親の死も戦争も意に介することはないのでは・・・・・・などと他人事として想像していましたが、そんな理屈で割り切れるものではないようです。内村は私が想像していた以上に動かされやすい(しかし、それは信仰の薄さを意味するものではない)人でした。
この本は「第3章 非戦」という章をもうけてもいるのですが、内村の非戦思想のきめ細かな部分を知るには、やはり内村自身の書いたものを読む必要がありそうです。