ウェルズ『世界史概観』(原著一九二二)を子供向けに書き直したものです。
私は幼少時にこれを読み、多大な影響を受けました。世界史好きの原点です。
同じ本に別の作者の『十人の音楽家の物語』も収録されていたのですが、そっちにはあまり影響を受けませんでした。
世界史とはいうものの地中海周辺の、アーリア人(この言葉は今は禁止なようです。ヨーロッパ人のこと)とセム族の興亡がメインになっていました。
中国やインドについては、西洋史が一段落した時にちょびっと触れる程度でした。
日本に至っては、近代に至ってようやく登場し、それまでは「別の惑星にある国のようだった」とか、ひどいことが書かれてました。
今にして思えばつっこみどころだらけですが、当時はわくわくして読んだものです。
特にギリシア文明がペルシア帝国に勝利し、ようやく名前のついた人物が出てくるようになったあたりは。ギリシア好きの原点でもあるようです。
筒井康隆『虚航船団』の第二部(イタチの惑星クォールの歴史編)を読んだ時、まっさきにウェルズの本を連想しました。あのわくわく感をもう一度味わえました。
英語と数学が絶望的にダメだった受験生時代の私にとっては、世界史は貴重な得点源でした。この本がなければ私の学力では大学に入れず、現在の私もなかったかも知れません。