核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

H・G・ウェルズ原著『世界の名作図書館46 子どものための世界史物語』(講談社 一九七〇)

 ウェルズ『世界史概観』(原著一九二二)を子供向けに書き直したものです。

 私は幼少時にこれを読み、多大な影響を受けました。世界史好きの原点です。

 同じ本に別の作者の『十人の音楽家の物語』も収録されていたのですが、そっちにはあまり影響を受けませんでした。

 世界史とはいうものの地中海周辺の、アーリア人(この言葉は今は禁止なようです。ヨーロッパ人のこと)とセム族の興亡がメインになっていました。

 中国やインドについては、西洋史が一段落した時にちょびっと触れる程度でした。

 日本に至っては、近代に至ってようやく登場し、それまでは「別の惑星にある国のようだった」とか、ひどいことが書かれてました。

 今にして思えばつっこみどころだらけですが、当時はわくわくして読んだものです。

 特にギリシア文明がペルシア帝国に勝利し、ようやく名前のついた人物が出てくるようになったあたりは。ギリシア好きの原点でもあるようです。

 筒井康隆『虚航船団』の第二部(イタチの惑星クォールの歴史編)を読んだ時、まっさきにウェルズの本を連想しました。あのわくわく感をもう一度味わえました。

 英語と数学が絶望的にダメだった受験生時代の私にとっては、世界史は貴重な得点源でした。この本がなければ私の学力では大学に入れず、現在の私もなかったかも知れません。