暗いニュースが多い日々、明るい気分になれる本が見つかりました。
たとえ漱石やドストエフスキーでも、ダメならダメと判断を下す、明快な本です。
ご意見は私と合うところもあればそうでないところもありですが、主張は明白です。
まず、合うほうのご意見から。ホメロスやギリシャ悲劇の持つ力の評価。
セルバンテス『ドン・キホーテ』、スウィフト『ガリヴァー旅行記』への高い評価。
(私は子供向け名作全集から入り、後に日本語全訳を読み直しました)
「シナの白話小説の中では、『水滸伝』を最も高く評価する」との言。
「やはり白話小説の『封神演義』は、商周革命を、道教の怪物らの妖術合戦として描いたもので、安能務(あのうつとむ)による自由訳が講談社文庫にある。これもめっぽう面白い」。同感です。
そして表題の『こころ』への批判。痛快でした。
大量の古典を扱っているため、合わないほうの意見もあるのですが、またいずれ。