追記 本記事は、岡田篤宏著・永盛綾子イラストのTRPG『りゅうたま』のルールとサプリメントを利用したシナリオ(二次創作作品)を掲載しています。
これはランダム物ではなく、多人数用の本格的な推理シナリオです。
ルールは『りゅうたま』で、舞台はサプリメントに載ってた、平安京風のキララサカに翻案して。
(以下、ボルヘス「死とコンパス」の微ネタバレを含みます)
2012・9・8 「キララサカ殺人案内」
1 朝。第一の事件 コンディションチェック
宮殿の茶室でくつろいでいた一行に、「組長が殺されはった」との騒ぎが伝わる。
現場は北方の丘。凶器は黒いナイフ。
犯人(ヒットマン?)はボディガードらの追跡を逃れ、消息不明。
金融顧問や刑事は非協力的(「ヒットマンの仕業や。素人衆はひっこんどれ」)。
組長の娘だけは一行を信用し、捜査に同行する。
若衆頭(次期組長候補)は娘の安全を気遣い、「あぶない真似はさせんといてや」と一行に言う。
この時点ではいくら捜査しても、「ヒットマンにしては不自然」程度しかわからない。
2 昼。第二の事件
キララサカの東、キヨミズの舞台。
舞台下の小川で溺死したヒットマンが発見される。
金融顧問らや刑事は、「これで事件はしまいや」と強引に片付けて去る。
あれこれ捜査・推理すると、死亡推定時刻は昨夜12時ごろ(つまり組長より前)。
娘に聞くと、「北、東・・・四神相応?」とか意味ありげな事を言う。
キララサカ宮殿の女王に頼めば、千年前より伝わる「四神相応図」を見せてくれる。
北に玄武、東に青龍、南に朱雀、西に白虎。四つの聖域全てで殺人が行われた時、この都は滅びるとのこと。
3 夕。第三の事件
若衆頭の妹が手紙を持ってくる。話したいことがあるので、南門のあたりで待つとのこと。
行ってみると火事。焼死体が発見される。
かけつけた妹と組長の娘は涙ながらに、若衆頭本人であることを証言する。
三つの事件現場を線で結ぶと、第四の事件は西の迷宮庭園で起きると推理できる。
妹は後始末に残る。娘はいくら止めても庭園についてくる。
4 夜。第四の事件 ここから事件の核心に
迷宮内で奇襲攻撃を受ける(ホブネコ1、ネコゴブ2、助っ人モンスター1)
「待っとったで。名探偵はんらがのこのこと、最後の殺人現場に来るのをな。被害者はあんたらや!」
オブジェ:石灯籠。ししおどし。玉砂利。生垣。あずまや。
敵を一人でも殺そうとすると、組長の娘が止める。ここで死人が出ると四神の結界が壊れると。
全員生け捕りにして庭園を出ると、刑事や組員が待ち構えている。推理を話せば犯人らを連行していく。
5 晩。エンディング
その晩は女王の宮殿に案内され、事件解決の宴となり謝礼が出る。
金融顧問の自白によると、組長と娘と若衆頭を殺して次期組長になり、
さらに結界崩壊で混乱したキララサカの支配者になるのが動機だったとのこと。
組長の娘は旅人になる決意を固め、キララサカを出て行く。次の街まで同行する可能性もあり。
……一二年も前のセッションですが、プレイヤーさんには好評でした。ボルヘスに感謝。なお、TRPG『りゅうたま』のルールは現在、サイト『マンガ図書館Z』にて無料で読めます。