核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

平野啓一郎「『バベルのコンピューター』」(『滴り落ちる時計たちの波紋』 文芸春秋 2004 収録)

 はじめにお詫びします。こういうタイトルの小説があることは知っていましたし、ある有名評論家が作中の架空芸術家を実在の人物とかんちがいした批評を書いた事件も覚えていました。ただ、実際に読んだのはつい4日前でして、以下の「バベルの図書館」(ボルヘス)に関する記述があることは知りませんでした。
 
 「「図書館」はいかに無限に近いと想像されようと有限である。その計算は極簡単である(引用者注 悪かったなw)。ピリオド、コンマ、空白、アルファベットの計25個の記号の、1ペイジ=80字×40行=3200字での組み合わせの総数は、25の3200乗である。更に、1冊が410ペイジからなるのであるから、それらのペイジの組み合わせの総数は、25の3200乗の更に410乗、つまり、25の1312000乗である。
 これが「バベルの図書館」の蔵書総数であり、序でに計算するならば、書棚1段には32冊の本が収められ、それが各壁に5段、1つの階に4箇所設置されているのであるから、1階あたりの蔵書数は、32冊×5段×4箇所=640冊、図書館は25の1312000乗÷640階あるということになる。途方もない数であるが、(以下傍点つき)無限ではない」
 (初出 『文学界』 2004年1月号)
 
 ええと・・・ひまなときに計算してみます。