大江健三郎が家族について書いたものを読んでいると、長男ヒカリさんのセリフだけ、
イーヨーは、もういません!
みたいになってることがあります。違和感を感じてたのですが、今さら納得しました。エッセイ「私が、もう、闘いましたからね!」(『ゆるやかな絆』講談社文庫1999収録)によりますと、ヒカリさんは大江の小説の自分が出てくるところを読むのが好きなので、見つけやすいように印刷屋さんに頼んでゴシック活字にしてもらってたんだそうです(同書169ページ)。
ほほえましい話。待てよ、んじゃ壊す人は何なんだ?どさくさにまぎれて、ヒカリさんにあの怪しい伝説を刷り込もうとしてないか?
ともかく、ヒカリさんが大江を読んでいたというのは正直意外でした。あなどってました。反省します。まあ、名古屋大学大学院博士課程やそれ以上(って、ほとんど名指しっすね)まで行っても、根本的に本を読む能力も資質もないやつは大勢いるということを、7月3日に思い知らされたのですけど。
読んでるか?HM。おまいだよ。