核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

黒島伝治 「反戦文学論」(1929(昭和4)年) その1

 「反戦文学論」なんて題名だからって、いいことばかり書いてあるとは限らない。その一例です。引用は青空文庫さまより。
 
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 一、反戦文学の階級性
      一
 戦争には、いろ/\な種類がある。侵略的征服的戦争がある。防禦戦がある。又、民族解放戦争、革命も、そこにはある。
 戦争反対の文学は、かなり昔から存在して居るが、ブルジョアジーの戦争反対文学と、現代プロレタリアートの戦争反対文学とは、原則的に異ったものを持っている。戦争反対の意図を以て書かれたものは、古代ヘブライの予言者マイカのものゝ中にもある。
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 マイカというのはミカ書のことですね(google翻訳したところ、確かにMicahの発音はマイカァでした。ヘブライ語での発音は不明)。ウィキソース様より有名な以下の一節を引用します。推定紀元前8世紀。
 
 
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 ミカ書 第4章  4:3
 彼は多くの民の間をさばき、遠い所まで強い国々のために仲裁される。そこで彼らはつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかってつるぎをあげず、再び戦いのことを学ばない。
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 1973年刊行の新改訳聖書とも読み比べてみたのですが、意味が変わるような異同は見当たりませんでした。ネストリウス派死海文書、グーテンベルグ聖書等をお持ちの方、異同を指摘していただけば幸いです。
 ここだけ読むと結構なことじゃないかと思われるかも知れません。私が何に不満なのか書きたいところですが、ここにきてPCが不調になりまして。続きはまた。