核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

差別と笑い

 差別を生み出す原因の一つに、安直な方法で笑いを取りたがる傾向、というのがあります。
 時の政権担当者。そろそろ飽きられだした有名人。評判の悪い国出身の在留外国人。そうした、叩けば確実に世間が同調する対象を「ネタ」にすれば、どんなに拙劣なジョークでも、それなりの受けをとることができるわけです。しかし、それは偏見を差別にまで悪化させる最速の道であり、私はそうした種類の冗談を、下ネタとともに自らに禁じています。
 「2000年代における名古屋大学大学院における『冗談』の定義について」といった話をしようというわけではありません(安心しろHM)。私が言っているのは彼らとは比較にならないほど高度なユーモア感覚の持ち主、古代アテナイアリストパネスについてです。民主制と平和主義の権化のごとき彼でさえも、上記のごとき安直な手段による大向こう受けの誘惑に抗し切れませんでした。
 いずれ、アリストパネス最大の問題作『雲』を題材として論じることになるかと思います。