2012-09-28 フィリップ・ショート 『毛沢東 ある人生 下』 理想社 2010(山形浩生・守岡桜訳 原著1999) その2 書籍紹介 #歴史 1957(昭和32)年の世界共産党会議で、ソ連のフルシチョフからの原子爆弾のサンプル提供を受けた際の、毛沢東の発言。 ※ 仮説をたててみよう。戦争が勃発したらどれだけの人間が死ぬだろうか?全世界の人口は二十七億人で、その三分の一が失われるかもしれない。(中略)最悪の場合は、半分が死ぬだろう。だが半分は残る。帝国主義は跡形もなく破壊され、全世界が社会主義になる。何年もたてば世界人口はふたたび二十七億人に達し、必ずやさらに多くなるだろう。(173ページ) ※ ・・・こういう人がいるから、私は核兵器および通常兵器の廃絶を本気で訴えずにはおれないのです。 毛沢東は核兵器こそ使いませんでしたが、彼の独裁による犠牲者は、中国のどの歴代皇帝、二十世紀の他国のどの独裁者にも及ばない数なのです。 本文の続きによりますと、毛沢東は1954年にもインドのネール首相にも核戦争を辞さないとの見解を示しており、「ソヴィエトの指導部は、核のアルマゲドンをまったく無頓着に語る男に核兵器を本当に任せていいものか迷った」そうです。いいわけありません。