核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ある一流大学の方の博士論文要旨を読んでいたら

ラクラウとムフは「マルクス自身と従来のマルクス主義を混同している」、との批判がありました。 よくある言い回しです。こうした説のバリエーションとして、「マルクスは自分がマルクス主義者ではないと称していた」とか、「エンゲルスに改変されたマルクス…

幕末づけな一日

幕末クトゥルフのNPC作りに没頭していたら、こんな時間になってしまいました。

山本圭『現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書 二〇二一) その2

ラクラウ+ムフの『民主主義の革命』という本はちょうど一年前に読んだのですが、後半、「ヘゲモニー」とか「節合」という概念が腑に落ちず、放置していました。 このたび山本著を入手したことで、少し先に進めそうです。 ※ グラムシにとってヘゲモニーとは…

山本圭『現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書 二〇二一) その1

デリダ、ランシエール、ラクラウ、ムフなど、最新の民主主義理論を扱った新書。 私が三章まで読んで投げ出した、ラクラウ+ムフの『民主主義の革命』についても一章が割かれています。再挑戦する気になれそうです。 はたしてヘゲモニー(覇権)概念とは。覇…

『社会文学』53号、届きました

今回の特集は「文学教育の未来―教育統制を問う―」。熟読します。

私は高木ブーだ

今の人にはドリフターズといえば歴史劇画なんでしょうけど、私の世代では五人組のコメディアンなんですよ。もっと昔は荒井注氏もいたそうです。 その高木ブー氏になった夢を見て。出番は間違える、空気は読めない、鍵をかけずに倉庫を出るといったドジを重ね…

百二十年前のおまじない

演説し議論する女を描いた、福地桜痴の第一波フェミニズム小説「思ひ思ひ」(一九〇一)。その作中で、女性たちの前で演説する男性議員の描写。 ※ 右の指先にて左の掌上(てのうえ)に人と云ふ字を三ツ書て、口に飲だる呪(まじなひ)の甲斐も無く、人に飲ま…

『都新聞』縮刷版のことなど

『都新聞』は演劇芸能に強い新聞な上に、国会図書館の開架(本棚)に明治期の縮刷版が置いてあります。いつもコピー待ちの時などに読んではいたのですが、今回は徹底的に読み込む必要がありそうです。確か一九一一(明治四四)年六月に歌舞伎『女浪人』の劇評…

結局、国会図書館に行かねば

一九一〇(明治四三)年五月上演の歌舞伎 一九一一(明治四四)年六月上演の歌舞伎 一九一一(明治四四)年一一月の映画 この三つの劇評と、できれば台本を徹底的に調査せねばならないようです。

福地桜痴『女浪人』を三行でまとめると

幕末、婚約者を暗殺された松川お信は、「女浪人」となって、非暴力的に各勢力の暗殺を止めて回る。大政奉還の裏で討幕の密勅が出されたことを知り、明治天皇を激しく非難する。維新後は官職につかず、英国に行き、日本の開化を見守るのだった。 重要なエピソ…

歌舞伎『女浪人』は二つあった?

私が先日報告したのは一九一一(明治四四)年六月上演の筋書でしたが。 早稲田大学演劇博物館のデジタルアーカイブを注意深く見ると、一九一〇(明治四三)年五月上演の『女浪人』もあるようです。こちらは筋書は残っていませんが、図版を見ると、お信らしき…