核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『サザエさんうちあけ話』での小林秀雄

 『サザエさん』の作者長谷川町子は、戦前には『のらくろ』の作者田河水泡内弟子をしていました。
 その時期をまんが化した、『サザエさんうちあけ話』に、田河の妻の兄だった小林秀雄がひとコマだけ描かれています。
 ものすごく眠そうなサザエさん顔の長谷川先生と向かい合う、和服に銀髪の後ろ姿。どんな話をしたのかは書かれていません。
 欲をいえば、長谷川先生のまるっこい絵と手書き文字で、正面から小林秀雄を描ききって欲しかったものです。
 大量の戦前戦中の便乗文や座談会記録の前で頭をかかえて、
 「ああ せんそう協力なんて しなきゃ よかった」
 「せんせ 今度のぜんしゅうは まだっすか」
 といった感じの小林秀雄なら、少しは好きに・・・なれないな。世の中には、「ばっかもん!」では済まない罪もあるのです。
 (追記 「田川水泡」ではなく「田河水泡」が正しい表記でした。一のらくろファンとしてお恥ずかしい限りです)