核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

コンピュータ将棋協会監修 『人間に勝つコンピュータ将棋の作り方』 技術評論社 2012

 もはや清水市代女流王将や故米長邦雄永世棋聖のごとき一流プロでさえ、コンピュータに勝てなくなり、むしろ「コンピュータ将棋の弱点を探る」(第十章章題)方が重要な問題になりつつあります。もう専門的な話題にはついていけそうもないので、歴史的な経過を中心に。
 シャノンの論文は前にも紹介しましたが、普通サイズのチェス盤でコンピュータチェスがはじめて動作したのは1958年とのこと(47ページ)。日本での最初のコンピュータ将棋は、1974年11月にNECの依頼で、早稲田大学の高橋磐郎教授らが開発したとのことです。実力はまったくの初心者レベルで、アマチュア20級程度だったそうです(19ページ)。
 そして1980年代。山下宏氏による、「第四章 YSSの誕生」より。
 
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 私が将棋プログラムを作ろうと思ったのは1987年、高校生のころだった。古本屋で見つけた「MICRO」という雑誌に掲載されていた「ESS」という将棋プログラムを見たのがきっかけだ。ESS(ElectroBrains Shogi System)はBASICで書かれた1000行ほどのプログラムで、当時の私は全容は理解できなかったが、利きデータを利用している、駒に固有の番号を振る、など参考になった。ただESSはPCー8801用のソフトウェアで私が持っていたパソコンPCー6001mk2では容量的にも速度的にも動かすことができず、移植する力もなくただ眺めるだけだった。
 (96~97ページ)
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 お気持ちはよくわかります。うちのはPCー8001mk2でした。その頃にはすでにPC-8801系に主流が移ってまして。
 BASICで1000行ぐらいだったら、がんばれば移植できそうな気もします。漢字表示は無理でも「HISYA」とか「カク」とかのテキスト画面表示にして(6001系はひらがなも使えたような)、
 
1000 IF TE=1 THEN  X=7:Y=6:F3=1(一手目なら何も考えずに7六歩)
 
みたいな感じでえんえんと。私のプログラミング能力では、ルール通りにコマを動かすだけで根気がつきそうです。