収録の日本語訳を紹介します。残念ながら近代デジタルライブラリーでは読めませんでした。館内限定閲覧です。
「電子計算機械は元来,純粋に数学的な計算を行なうように設計されたものである.しかしその基本設計はまことに一般的であり融通性があるから,ことば・命題(proposition)などの概念的な実体をも記号的にあつかって,仕事をするために用いる」(139ページ)
将来の可能性として、シャノンは外国語の逐語訳、回路設計、航空管制、遠距離電話の回路指定(本人はベル電話研究所勤務だそうです)などをあげ、そうした実際的応用の前段階として「チェス指し機械」を提案します。
訳注によれば、同じような目的で、シャノンは迷路を走る「電子ネズミ」を作り、動かしてみたそうです。
ここまででも十分にすごい話なのですが、次の一節にはさらに驚かされました。
「その線に添った試作品が,L・トレス・イ・ケベド(L.. Torres y Quevedo)というスペインの発明家の手で1914年につくられた.彼は〔王〕対〔王と城〕という終盤戦*(引用者注 文末にチェス用語の訳注がありますけど省略)を演ずる考案品を組立てたのだった.この機械は〔王と城〕側にまわって,人間の対局者がどう逃げようと、ほんの数手のうちに王手詰にしてしまうのだった」(140ページ)
ポーでなくても信じがたい話、と思って検索してみました。
・・・ひとまず、ウィキペディアでの同氏の項目をあげておきます。
電磁石を使用した、世界初のコンピュータゲーム。すごい男がいたもんだ。