核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

デカルト 『宇宙論』(白水社『デカルト著作集 Ⅳ』 1973 原著1677)

 「第十章 惑星一般について、特に地球と月について」と題された章。
 天の「中心を占めているのは」惑星ではなく、「太陽その他の恒星である」という前振りで、三重の円の図が提示されます。
 中心に太陽S。その周囲の大きな円に惑星T。Tの周囲の円に惑星☾(アルファベットのCに似た、三日月型の記号)。
 
   ※
 天の物質は惑星を太陽のまわりに回転させるのみならず、惑星自身の中心のまわりにも回転させる〔自転〕(それを妨げるなにか特別の原因がある場合のを除いて)ということ、(略)
 私が特にこの二つの惑星について語ったのも、私たちが住む地球が惑星Tで、地球のまわりをまわる月を惑星☾であなたがたに示してあげるためにすぎなかったのだ。
 (白水社デカルト著作集 Ⅳ』 1973 181~182ページ)
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 タブー中のタブーにふれやがった。地動説です。
 コペルニクス(1473~1543)から百年もたってるんだし、そんなに過激でもないんじゃないの?と思われる方もいるかもしれません。この『宇宙論』を、デカルトが生前に刊行できなかった事情は次回で。