核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『食道楽』のアイスコーヒー

 村井弦斎の『食道楽』(1903)はけっこうすみずみまで読んでたはずなのですが、アイスコーヒーの記述は見落としていました。UCC様のサイト(http://www.ucc.jp/enjoy/column/column.php?cc=37)で気づかされました。
 『食道楽』秋の巻、岩波文庫版では下巻146~147ページです。
 
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 暑い処をセッセと帰って参りますと宅では冷した珈琲(こーひー)を拵えておいて出しますがそれを飲む時の心持(こころもち)は何ともいえないそうです。冷した珈琲はやっぱり平日(いつも)の通り小匙二杯の珈琲へホンの少(すこし)の水と玉子の殻(から)を二つ振(ぶり)細かく砕いて入れて火の上で撹(か)き廻しながら煎(せん)じます。珈琲がよく出た時分湯呑(ゆのみ)一杯の湯を注(さ)して角砂糖を入れて牛乳でもクリームでもコンデンスミルクでも加えてそれを硝子壜(がらすびん)に入れて井戸の中へ釣(つ)るしておいても氷へ漬けておいてもようございます。
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 いつもどおりたまごのからが気になりますが、井戸水で冷やしたコーヒーもいけそうです。