以前、当ブログは
漱石の「従軍行」を全文引用し、
漱石が平和主義者ではなかったと論じました。
しかし一方、先日の小森先生の最終講義で、『
三四郎』中に、同じ
日露戦争を批判的に語っている箇所があることを知らされました。公正を期すために引用します。
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自分の子も戦争中兵隊にとられて、とうとう彼地で死んで仕舞つた。一体戦争は何の為にするものだか解らない。後で景気でも好くなればだが、大事な子は殺される、物価は高くなる。こんな馬鹿気たものはない。世の好い時分に出稼ぎなどと云ふものはなかつた。みんな戦争の御蔭だ。
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三四郎の汽車に乗り合わせた爺さんの発言であり、
漱石自身の意見の代弁だという保証はないのですが(「従軍行」のほうは「僕の従軍行などはうまいものだ」と自賛しています)、一応引用しておきます。