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(前略)慰安所には見学禁止憲兵隊と大きく書かれてゐて、見物するわけにはいかないので、やはり実際に慰安を求めに這入らなければならない。杭州では火野伍長から切符を分て貰つて登楼した「一発」と書き、下に下士官一円五十銭、兵一円とある。(中略)胸にはめい〱番号と名前のはいつた慰安所営所証を勲章の様に付けて居る(中略)這入つて行くと二三人が頓狂な声で○○○○○○しよ、と喚いた。(後略)
(七八ページ)
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(前略)(中略)(後略)「○○○○○○」はすべて原文通りで、私は一字も略していません。恐らく伏字は検閲を恐れる文藝春秋側が施したけれど、それでも通らなかったというところでしょう。
嫌悪感を催す方もおられる方もいらっしゃるかも知れませんが(私もです。いったい何が「やはり」でしょうか)、こういう現実がかつて存在したこと、日本軍が復活すればこうした現実も復活するであろうことは、知っていただきたいと思う次第です。
2019・8・7追記 出版警察報の号数に誤りがありました。再調査します。