核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『新潮』二〇一九年九月「特集 江藤淳 没後二〇年」 

 平山周吉『江藤淳は甦える』に言及した評論、福田和也「妖刀の行方」より。

  

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 死後、江藤さんが自分の誕生日を一年偽っていたことが判明した。平山氏はそれを病気が理由で小学校の課程に七年をかけた恥を隠すためだったとし、さらに敬愛する祖父を偉大な存在にするため、祖父の年齢を漱石と同じにしたことや、GHQによる検閲を追及した『閉された言語空間』を発表したことで命を狙われたという話がつくり話らしいということも明らかにしている。

 こうした虚飾を自らまといながら、江藤さんは果敢に戦後を生きていった。

 (二二〇ページ)

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 ……どこが果敢なんでしょうか。この特集のどこを読んでも、江藤淳に好感の持てるような記事はありませんでした。一応、『江藤淳は甦える』は読んでみます。