松元雅和『平和主義とは何か』における、平和主義の二分類です。
いかなる種類の戦争も認めないのが絶対平和主義で、場合によってはある種の戦争（たとえば自衛戦争）を認めるのが平和優先主義。英語ではそれぞれパシフィズムとパシフィシズム。松元氏は平和主義についての議論をするにあたっては、まず自分の立場がどちらなのかを明確にする必要があると述べており、そこまではまったく同意します、
しかし、そこから先の議論、絶対平和主義を宗教に由来するものとし、国家の政治的立場としては平和優先主義をとるという意見については、（理解はできますが）賛成はできません。古代中国の向戌の弭兵、古代ギリシアのアリストパネスの『平和』のように、非宗教的な立場から絶対平和主義を主張した例は紀元前からあり、現実的な政治上の選択肢として、考慮に値するものと私は考えております。
侵略戦争はもちろん、自衛戦争や「戦争に対する戦争」すら否定し、戦争によらずして戦争を止める道を模索することこそ、日本のみならず人類の進むべき道と私は考えます。
