核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

辛口批評家とマウンティング

 「彼らが間違っているからといって、我らが正しいとは限らない」と、私は先日書きました。にもかかわらず、世にはそうした錯覚と、その錯覚を利用する者が多いのです。

 ダメな小説や映画をあげつらって、辛口批評を展開することは実に容易です。問題は、その辛口批評家がダメな小説家や映画監督よりすぐれているとは限らないのに、自他をそう錯覚させてしまうことが多いことです。

 批評家に限ったことではありません。聖書やコーランや仏典や記紀にも理不尽な箇所はいくらでも見受けられますが、キリスト教が間違っていることは仏教が正しいことを保証しないし、イスラム教が間違っていることは神道が正しいことを保証しないのです。

 岡目八目。むやみと他を嘲笑するより、自らを律すること。平凡な教訓ですが、それを守るよりないようです。