もういっこ、「邪宗門秘曲」で気になったのは、
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かの美(は)しき越歴機(えれき)の夢は天鵝絨(びろうど)の薫(くゆり)にまじり、
珍(めづ)らなる月の世界の鳥獣(とりけもの)映像(うつ)すと聞けり。
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の箇所。美しいものを「美しき」と表記するベタさもさることながら・・・・・・エレキ?切支丹とかの時代に?
例によってウィキペディアその他で検索すると、
1902(明治35)年 フランスで映画『月世界旅行』公開
1905(明治38)年 日本の明治座で同作品公開
1908(明治41)年4月 日本の錦輝館で『月世界旅行』公開
なので、ごく最近の出来事を詩に盛ったようです。北原白秋が見たのは明治座か錦輝館かは考察の余地がありそうですが。
この件については、北原白秋を非難するつもりはまったくありません。切支丹とか黒船とか映画とか、時代・地域を意図的にごちゃごちゃにすることによって、どことも知れぬ「異国」を表現する技法なのでしょう。
「映像す」と書いて「うつす」もなんか範馬勇次郎っぽい。関係ないか。