核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

子路のこと

 『論語』というと、なんか孔子が説教ばっかりしてる、たいくつな本という先入観で、読まず嫌いをしている方も多いのではないかと思います。

 実際は個性豊かな孔子関係者たちがおりなす、けっこう面白い本です(少なくとも『中庸』や『大学』よりは)。とっつきにくい方は、まず「推し」の人物を探すのがおすすめです。

 私の推しは「子路」。姓は仲、名は由、字は季路または子路孔子の、名のある弟子の中でも最年長なのですが、おっちょこちょいで、孔子に叱られてばかりいる人物です。勇気と決断力がとりえで、音楽は苦手。「暴虎馮河の勇」という語のもとネタですが、実際にトラと戦ったかは定かではありません。孔子にもけっこうずけずけと物を言う、容赦せず遠慮しない人柄です。

 『史記』の仲尼(孔子の字)弟子列伝を読むと、元は不良だったとか、衛の内乱に巻き込まれて非業の死をとげたとか、いかにもな挿話があります。「君子は死んでも冠をぬがず」が最期の言葉です。

 中島敦子路を扱った小説「弟子」があるそうです。うかつにも読んでませんでした。探してみます。