核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

白旗赤旗論の森嶋通夫と、それに反対する関嘉彦の論争(いずれ読む予定)、および現時点での意見

 1980年前後に行われたそうで、いずれ詳しい書誌情報を調べ、自分なりに読むことにします。

 今確実に言えるのは、私は白旗赤旗論には断固反対です。しかし関嘉彦(河合栄治郎の弟子で、社会思想社の設立にも関わっているそうです。妙なご縁を感じはしますが)の反対論のような、対米同盟と軍事力強化という路線が「現実的」かというと・・・・・・どうも異論があります。

 要するに、私はジレンマに陥っているわけです。軍事独裁国家への安易な降伏論は侵略戦争を誘発しかねないからダメ。しかし防衛力(という名の攻撃力)増強は、必然的に軍拡競争を招き、いずれは必ず戦争に至るからこれもダメ。

 となると私に残された道は、自らは暴力・軍事力を手にすることなく、軍事独裁国家の侵略意図を食い止め、戦争を止める道しかなさそうです。ばかげて見えるほど困難な道ではありますが、前二者(白旗赤旗論、軍備防衛論)よりはまだ望みのある道と考えています。

 思えば過去の平和主義者たちも、上記のジレンマに悩まされてきました。ある者は平和優先主義から正戦論にすべりやすい坂を落ち込み(矢野龍渓を念頭に置いています)、反対方向の者は宗教的な無抵抗主義に走りました(トルストイを念頭に置いています)。どちらも避けるべき道です。

 第三の道(前述の「私に残された道」)を選んだ平和主義者もいます。当ブログがたびたび引き合いに出す村井弦斎は、通常兵器の廃絶を訴える一方、ソ連軍の日本人虐殺を非難しており、白旗赤旗論のような無抵抗主義とは無縁でした。今刊行を考えている『戦争の止め方』では、大々的に彼ら第三の道を選んだ絶対平和主義者たちを論じたいものだと思います。