核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

原抱一庵『闇中政治家』、再読計画

 今さら『ゴールデンカムイ』ブームに便乗しようというわけではありません。

 今、私の中で北海道が熱いのです。

 そういうわけで、一八九〇~九一(明治二三~二四)に書かれた、北海道を舞台にした政治小説『闇中政治家』をもう一度読み返すべく、『明治文学全集26 根岸派文学集』を図書館で借りてきました。

 結末は鮮明に覚えているのですが、細部はかなりあやふやで。

 北海道が舞台なのにアイヌが出て来ない、という印象があったのですが、実際はかなり早い段階で登場していました(作中では「アイノ人種」)。

 すでにジェンダー論の側面から扱った論文もあるのですが、メタフィクションとしても読めそうですね。私は今のところこれで論文を書くつもりはありませんが、この作品が「語り手が物語を探す小説」であり、同時期同媒体に連載された村井弦斎『小説家』に近い構造を持つ、ということには注目しています。