あの雑誌POPCOMの欄外ゲームブックや、今でも名作の呼び声高いゲームブック『展覧会の絵』の作者様へのインタビュー記事を、Web東京創元社マガジンで読むことができました。
私が感じつつもうまく表現できなかったあの感動の質を、岡和田氏は「叙情性」という言葉で表現なさっています。
ロボットに支配された無機質な未来都市を駆ける「新世界から」。
おばけがいっぱいの暗い森を、たいまつ頼りにさまよう「昔々・・・・・・」。
文化祭の劇にしたいという要望も来たという、異国的な「待祭の旅」。
さらわれた織姫を求めて十二星座を巡る、自由度の高い「笹の葉さらさら」。
「おじさん!あ、あなたはもしや」と唸らせる、「ベンジャミンおじさんの家」。
(もう一作は不覚にも、POPCOMの掲載号を買いそびれたため未読)。
どれも単に面白いだけではなく(それでも十分すごいのですが)、ほろりとさせる雰囲気が漂っています。
今度国会図書館に行ったら、研究そっちのけで1986年のPOPCOMを一気読みすることになりそうです。いや、案外、今ばくぜんと考えている可能性の物語論が、まとまることになるかも知れません。