谷崎潤一郎「小さな王国」の翌年に書かれた、ケインズの『平和の経済的帰結』。図書館閉まったしデジコレもログインできないしで、現物は正月明けに読むことになりそうです。とりあえずウィキペディアの同項で耳学問を。
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ケインズは第一次世界大戦後のパリ講和会議にイギリス大蔵省の代表として臨んだ人物。
ケインズはその著書の中で、より寛大な平和を主張した。それは正義や公正さを求めたからではなく、連合国を含むヨーロッパ全体の経済的幸福のためであった。ヴェルサイユ条約とその関連条約は、それを阻止するものであった。
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ま、ケインズも絶対平和主義者というわけではまったくなく、敗戦国に多額の賠償金をふっかけすぎるのは逆効果だ、といった議論のようです。
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ケインズはケンブリッジ大学を退職し、1915年に大蔵省に就職した。第一次世界大戦中、毎日のように戦費調達に奔走したが、そのことは、彼がメンバーであったブルームズベリー・グループの平和主義者の多くを悩ませた。
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と、戦費調達にはげんでたそうですし、1930年代には、
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1930年代、ケインズは、彼の支持者の多くとは異なり、ドイツ、日本、イタリアの「山賊大国」と呼ばれる国々を抑止するため、早くから再軍備を提唱していた。1936年7月、ケインズは『ニュー・ステーツマン(英語版)』誌の編集者に手紙を書いた:
わが国の軍備が不十分な状態は、武力以外の手段を知らない山賊大国を助長するだけであり、長い目で見れば、これらの大国が世界で好き勝手なことをするのを、われわれが無為無策で黙認することを望む国々の思うつぼにはまることになる。(中略)主要な太平洋諸国が圧倒的な武力を集団で保有することが、今日の状況において、平和の最善の保証であることを、私は説得できないであろうか。
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と、日本を山賊大国呼ばわりし、圧倒的な武力での押さえ込みを主張しています。「経済学の平和的帰結」を期待していた私としては残念です。