谷崎潤一郎(1886~1965).
J・M・ケインズ(1883~1946)。
生きた時代は重なる二人ですが、共通点となるとすぐには思い浮かびません。
二本の曲線がかろうじて交差する点が、第一次世界大戦終結期でしょうか。
ケインズは『平和の経済的帰結』(1919)で、ドイツなどに多額の賠償金を要求するヴェルサイユ条約は、ヨーロッパの経済そのものを破壊することになると警告しました。
一方谷崎潤一郎は、「小さな王国」(1918)で……何を書いたんでしょうか。戦争景気の裏の貧困?そのまた裏で発生した、子供たちのバブル景気?