一九二五年にロシア(当時はソビエト連邦、スターリン政権下)を訪問した、経済学者ケインズの感想です。
一言でいうと、ケインズはマルクス・レーニン主義を、経済学や政治哲学としてではなく、「新興宗教」として扱っています。
※
時代遅れの経済学の教科書-これが科学的に誤りであるだけでなく、現代世界にとって何の興味も適用性もないものであることを、私はよく知っている-を批判の許されないバイブルとして推挙するような教義を、どうして私は受けいれることができようか。
ケインズ「ロシア管見」(一九二五) 『説得論集(ケインズ全集第9巻)』東洋経済新報社 昭和五六年 二五八頁
※
どうせならもっと徹底的に、マルクスがいかに非科学的で時代遅れであるかを弁じて欲しかったものです。