「日本ペンクラブ:電子文藝館」を紹介します。
いなか住まいで大きな図書館になかなか行けない私にはありがたいサイトです。皮肉なことに、名古屋に住んでた大学院生時代は生活費を稼ぐのにせいいっぱいで、なかなか研究に専念できなかったんですよ。まあ、研究に専念できなかった本質的な理由は別にあったのですが、なまなましい上にサイト紹介と無関係なので別の機会に。
なお、一昨日に井伏鱒二の福地桜痴からの盗作問題にふれましたが、猪瀬直樹 「『黒い雨』と井伏鱒二の真相」(初出 『文学界』2001年8月号)では、「山椒魚」「黒い雨」「ジョン万次郎漂流記」といった井伏の代表作がことごとく盗作であること、そして井上靖・大岡昇平・安岡章太郎・大江健三郎といった戦後を代表する文学者たちがそろって井伏にだまされていたという、衝撃的な発見が語られています。↓
井伏鱒二の小説『黒い雨』が原爆の悲惨さを広く訴える役割を果たしたことは否定できませんが、だからといって倫理に反する行いが許されるはずはありません。むしろパシフィストだからこそ、己の身を正しく律せねばなるまいと思う次第です。