核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

二論文の比較―冒頭と結末編

 ……まず冒頭。
① 鶴田武志「【column】堀田あけみ「1980アイコ十六歳」の周辺」
( 『 〈東海〉を読む●近代空間と文学』  日本近代文学会東海支部 2009年6月刊)
 一九八〇年代は映画、テレビ、マンガなど活字以外のメディアも爛熟を迎えている時代である。したがって、反響の大きい文学作品が媒体を変えて再生産をされることは珍しくない。それは、堀田あけみのデビュー作である「1980アイコ十六歳」(『文藝』一九八一・一二)も例外ではなかった。
 (以下、同作品の反響、作者による2008年のインタビューが引用される)
 
②鶴田武志  「堀田あけみ「1980アイコ十六歳」と映画「アイコ十六歳」」
(『文化科学研究』2009 VOL21 NO1)
 1980年代において、反響の大きい文学作品が媒体を変えて再生産をされることは珍しくない。それは、1981年に文藝賞を史上最年少受賞したことが話題になった堀田あけみのデビュー作、「1980アイコ十六歳」(『文藝』1981・12)も例外ではなかった。
 (以下、同作品の反響、作者によるインタビュー(①に引用されたものと同一)が引用される)
 
 ……そして論文結末。
① 鶴田武志「【column】堀田あけみ「1980アイコ十六歳」の周辺」
( 『 〈東海〉を読む●近代空間と文学』  日本近代文学会東海支部 2009年6月刊)
 最後に「1980アイコ十六歳」は、河出文庫から二〇〇六年に、『1980アイコ十六歳 新装新版』として改めて文庫化されたことを付しておこう。この『新装新版』に映画時の著者ノートを残したまま、堀田は「新装新版へのあとがき 二十五年」を寄せ、作品への変わらぬ愛情を語っている。一九八〇年代当時に作品の周囲に起った喧騒とも呼ぶべき事態を含めて、「1980アイコ十六歳」は思い出として一括りにされ、再び読者に提示されたのである。
 
②鶴田武志  「堀田あけみ「1980アイコ十六歳」と映画「アイコ十六歳」」
(『文化科学研究』2009 VOL21 NO1)
 最後に「1980アイコ十六歳」は、河出文庫から2006年に『1980アイコ十六歳 新装新版』として、改めて文庫化されたことを付しておこう。この『新装新版』に映画化時の著者ノートを残したまま、堀田は「新装新版へのあとがき 二十五年」というあとがきを寄せ、作品への変わらぬ愛情を語っている。1980年代当時に作品の周辺に起こった喧騒とも呼ぶべき事態を含めて、「1980アイコ十六歳」は思い出として一括りにされ、再び読者に提示されているのである。
 
 ……なお、引用者(私)はこの論文打ち込みでコピー貼り付け機能を使用しておりません。①が縦組み、②が横組みであることによる数字表記の違いのほか、論文結末に二箇所ほど異同があることにお気づきでしょうか。
 他の重複箇所をあげていくことはいくらでも可能ですが、むしろ異同箇所を指摘したほうが早いかと思われます。私の二論文への個人的感想はいずれまた。
 いきさつについては、当ブログの7月4日の項↓をご覧ください。