同書冒頭より、平和主義の代表者二人の比較を。
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トルストイは内面的で、戦争と平和の問題を絶えず実存の問題として引き受け、自分の信仰の純粋さに専心する一生を過ごした。他方のラッセルは外交的で、同時代の政治・社会問題についていち早く発言し、世界中を飛び回って啓蒙(けいもう)活動に邁進(まいしん)する一生を過ごした。読者の方々は「平和主義者」なる人物像として、どちらの姿を思い浮かべるだろうか。
(5ページ)
(14~15ページ)
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松元氏は性急に答えを出すことなく、平和主義のとり得る様々な形態を論じているわけですが、長くなるので今回はここで切ります。