核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

一記者「弦斎夫人の家庭叢談」(『婦人世界』1914年10月号)

 下田歌子の「戦時における日本婦人の覚悟」と同じ号に掲載された、村井多嘉子夫人の連載記事です。
 いつも通り平常運転といいますか、「昔より里芋はお腹の薬だといつたさうです」等と食べ物の話に終始しています。最後に半搗(つき)米の話題で、インタビューした婦人世界記者が「今度の戦争には、陸軍でも兵士に半搗米を食べさせるといふ事が新聞に出て居りました」と話題を振りますが、弦斎夫人は何も答えていません。そういう政治的な領域は夫のものだと割り切っていたのでしょうか。
 その左のページには、三津木春影の小説『美人軍事探偵』の第一話が。「八月某日、独逸に対する日本の最後通牒が発せられてから二三日過ぎた午後」の青島沖を行く、一隻の日本汽船。肝心の美人探偵はまだ出てきませんでした。