核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星一『三十年後』 その6 相撲の滅亡

 国民の健康が平均した、大正37年の国技館では。

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 昔の大力士常陸山梅ヶ谷、或は太刀山鳳、西の海、大錦、栃木山……そんな程度の大力士は素人の間にも沢山出来ましたので、相撲が一向面白く有りません。故に新聞などでも相撲の記事を書くのに今度の横綱何々山は大力薬何グラムを注射したから、一方の何々川より0、(れいこんま)の何程強い筈だなんて、こんな風では少しも興味が有りませんので、自然に相撲は廃つて来ました。
 (近代デジタルライブラリー 星一『三十年後』 49/138)
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 私はもとより相撲に何の興味もない人間ですが、常陸山梅ヶ谷横綱の名前ぐらいは聞いたことがあります。確か『日の出島』にも出てきました。
 仮に副作用のないドーピング薬があったとしても、スポーツ興業の面からは好ましくないようです。