星新一という作家の魅力は何か。
奇抜なアイディア、完全なプロット、意外な結末。
それらに匹敵する要素があの独特の文章です。わけても、あの「や」という感動詞。
「や、さては強盗か」
「や、強盗かと思ったらロボットだったのか」
どんなにぶっとんだ展開も、「や」の一言で受け入れるエヌ氏やエフ博士に、つい読者にも納得させてしまう「や」の魔術。日本にSFを定着させた功績のいくらかは、この「や」に負っていると思うのです。
このたび星新一の父、星一の原案になる『三十年後』を読み終えたのですが、けっこう「や」が使用されていました。星新一が影響を受けたのか?気になります。