核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

尾崎行雄『永遠の平和』(1919(大正8)年)

 少々看板倒れでして、平和論と直接関係のない話が大半を占めています。
 第一次大戦後の趨勢についても(執筆時は大戦続行中だったようです)、戦後に必ずしも永遠の平和が来る、という楽観主義ではありません。
 ただ、大戦前のような「武装的平和」の時代に戻るという説にも反対しています。「武装をすれば戦争が来るのは当然で、武装的平和が、一場の空夢に過ぎない」ことはこの大戦が証拠立てているとも述べています。
 ではどうなるのかというと、政治家の眼からは「百年続けば永遠の平和」であって、せいぜい三~五十年の平和が続くのではないかという予測です。現実にはそれさえ楽観的に過ぎたようです。